すべては使命のために

あいつは裏切り者だ。


俺たちの組織から逃げ出した挙句、敵側につくとは・・・


わが社の損失は計り知れない。


もうこの会社同士の争いもこちらの負けということでカタがついてしまいそうだな。


と、内心諦めかけていた。


俺が所属する部署は特別で、力さえあれば誰でも雇ってもらえるという画期的なところだ。


もちろん、戦場にどんどん派遣されたり人体実験をやらされたりと、俺たちの扱いはまるで人間を扱うのではなく、何かの家畜を扱うような、そんな感覚だ。


だが、俺はこういう状況や空気は嫌いじゃない。外の世界のように嫌になるほどの自由なんていらない。


そんなものがあるから人々は堕落する。


人だけじゃない。龍や獣たちもだ。最近の生き物はみんな堕落しきっている。


それは世界が平和だからだ。世界が平和になると生物は堕落し、軟弱な種と化してしまう。


俺はそんなやつらと同類種として見られたくない。


俺が今までやってきたことを世界中のグズどもに見せ付けてやりたい。






ところで、今日、わが社の機密情報を持ち出して敵社にその情報を売った裏切り者がいるそうだ。


どんなやつかは知らないが、迷惑千万な話だ。


こういうやつが俺の部署にたくさん配属されるから嫌なんだ。


中途半端な覚悟で入って、俺たちに迷惑をかけた挙句、死んで逃げるのだから。


俺はそういうやつは嫌いなんだ。


自分の命を無駄にして生きていくやつは・・・









・・・なら、なぜ俺はここにいる。


命を大事にして生きていくのならばここにいては駄目なはずなのに。


答えは簡単。それは俺が弱いからだ。


力ではなく、心が弱いからこのような集団にいるのだ。


そして、今日マスターからとある極秘命令を下された。


「裏切り者を探して、殺せ。」と。


ルー・・・お前は今どこにいるんだ。


いつかお前に会える日まで、俺はこの手を汚すことになる。


だけど、だけど、そんな兄でもお前のためなら許してくれるよな・・・?















俺は短刀を持って外の世界へ出た。

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