サブエピソードを逸脱した何か6

※逸脱はしてません。

それでは本編は追記展開から。

「じゃあ……。そう。夜中になったら行きましょう。」
「夜中ねぇ……どうしてまたそんな暗い時間に?」
「どうしてもよ。そうね……月が真上に来るくらいかしら。もう少ししたら連れて行ってあげる。それまで待ってて。……ご飯食べておいてね。」
この子の目は分かりやすい。
Ep.126 準備



「……そっちのイヌ。ちょっときて。」
「イヌっていわれるのは心外だなぁ。……って思ったけど、名乗ってないから仕方ないよねー。あたしはベトゥーレン。」
「ベトゥーレン……。」
どこか哀しげな名だ。
「あんたも名乗りなさいよ。さっき誤魔化したんだから。」
Ep.127 betören



「私は……」
「別に名前がないのなら、そう言ってくれればいいの。うやむやなのは性に合わないだけだから。」
名前がないわけではない。でも真名ではない。どうしよう。
「前にもあんたみたいなのいたからさ。もらった名前が本当の名前じゃないってヤツ。」
え……?
Ep.128 名のある過去



「あんたこの手の話に何回引っかかれば気が済むのよ。……はあ、じゃああなた、もらった名前はあるんでしょ?だったらそれで呼ぶから。教えて。」
「本当に驚きだわ……あなたみたいな余所者、初めてよ。」
「誉めても何もでないって。ほら。」
「私は……ケトス。海にいたの。」
Ep.129 話



「なるほど。あんた、どーりで馴染まないと思ったよ。でも、海の生き物が何でまた地上に……。」
「それが分からない。ある日、幼い頃から居たはずの海から流されたのか……この島に居たの。海に戻ろうとしてもあの化け物……。戻れずじまいの状況の中、彷徨っていたの。」
Ep.130 あの日



「ありゃ、それはそれは災難な……。」
「他人事みたいに言ってくれるわね。慣れない地上に、重たい身体。そしてなによりも、地上では私は声を出せなかったの。」
「え?でもあんた、こうしてしゃべってるでしょ?」
「それもまた不可解なこと。それは後で教えるわ。」
Ep.131 打ち明け



約束の、月が真上に来る頃。
今日は月が見難い。霞んでいて、その形状が伺えない。
さて、と。重い腰を上げながら、私は彼らを呼びにいく。
「じゃあ、そろそろ行きましょう。……くれぐれも村の人を傷つけないようにね。」
「くどいくどい。ほらいくよロアっち。」

Ep.132 行こう。



「じゃあ、ちょっと歩けば着くから。見つからないようにね。」
の、本当にちょっとのところ。この村と先刻まで居た砂浜は道がしっかりとあって、すぐ行き来できる。
ただ、村人はここに来たがらない。ただ一人、ラムを除いて。
「……少しここで待ってて。」
ラムに会いたい。
Ep.133 再会



「……ラム。ラム。いる?」
「……けーちゃん……?けーちゃん!?まってて!」
ラムが外に出てきた。
「けーちゃん……どこにいってたの?」
この子は……どうして疑問に思わないのだろうか。
……ねえ、ラム。私はどうして怖がっていたのかな。
「少しだけ、散歩に。」
Ep.134 散歩



「あと……今日はごめんね。痛かったよね……?」
「ぜんぜん!けーちゃん女の子だから力強くないでしょ!」
「……っ。」
だったら……その痛々しく血が滲む包帯を巻いてある手を、私に見えないように隠して欲しかったかもしれない。
私は人ではない。……何処か、心が痛む。
Ep.135 人非



「ラム、今あなたは私にたくさんの質問がしたい。そうでしょ?」
「そりゃあもう、けーちゃんがどうして喋れるのかってことことか全部!」
「うん。それには答える。でも私と来て欲しいところがあるの。……一緒に来てくれる?」
必死な目で彼女を見つめていたに違いない。
Ep.136 語られる



「いいよ。けーちゃん。いこう?」
「……あ……何でもない。……ところで、ヤードは起きているの?」
「おとーさんは寝てるよ。あたしいつも抜け出してるもん。」
駄目じゃないか。と言いたいところだけど、子供らしく、可愛らしい行動に私が口出しは出来ない。そう思った。
Ep.137 口無し



「(人間……?)」
「(人間ですよね……。マスターの本来の姿の種族……。)」
「(ロアッちミルフィーさんのことマスターって呼ぶの好きだよね……)」
「(主ですから……ほら、帰ってきますよ。)」
私のご主人でもあるんだけどなぁ。
……ロアッちだから許してやるかな。
Ep.138 主



「わーっ!?けーちゃんこの人たちだれ!?」
「あっ……えっと……あの……」
「うん、ちょっと遭難したところを彼女に助けられたんだよー、お嬢ちゃん。」
「へー!!たいへんだったね……たまに来るそーなんしてる人たちはみんな死んじゃってるからあなたたちすごい!」
Ep.139 遭難死



「よし行こう。……の前に。ラム、あなたはメルジーナグランツっていう石をしってる?」
「めるじーなぐらんつ……名前ながい!しらないなー。」
「えっと、綺麗な石なんです。透き通ってて、光ってる石で……。」
「赤いお兄ちゃん捜し物?んー、それ知ってるかも!」
Ep.140 探しに行こう



なぜこの子たちはメルジーナグランツを欲しがるのか。
もともとどんなものか知らないけれど、本当にここだけにしかないものなのか。
ただこの子たちに縋ってしまう。どうしてだろう。
考えていても仕方がないのに、下を向いて考えてしまう。
「けーちゃん?」

行かないと。
Ep.141 目的



「へぇーそうなの。お嬢ちゃんすごいねぇ。プレゼントしたんだ。」
「そうだよ!くろいお姉ちゃんたちにも作っいてあげる!おみやげっていうんでしょ?」
「うんうん、違うけどあってるよー。じゃあ楽しみにしてるね。」
「珍しいですね、小さい子の応対をするなんて。」

Ep.142 小さい子



「まあほら、フィーネさんコミュニケーション大事って言ってたし。」
「なるほど。アホの子ベトゥーレンは卒業ですか……。」
「いまじゃアホの子はロアっちだもんね。あ、嘘。気にしないで。ほら置いてかれちゃうから行こうよ。」
「帰ったら覚えておいてよね、ベト。」
Ep.143 慣れ親しむ



「ねえねえけーちゃん。」
「ん……なに?」
「あの……けーちゃんは……さ……。しゃべれても、しゃべれなくても、けーちゃんだよ。」
「……そうだね。ラムがくれた名前だもの。私はケトスのままのほうがいいのかもしれないね。」
そのほうが、幸せかもしれない。

Ep.144 もらった名前



「……。」
森の中を通るときはみんな無言だった。
それぞれが何かを思い、何かを考えている。そんな空気だった。
冷えた空は木の葉の間から星を見せてくれた。
月と星。海の中でも、いつも見守ってくれた気がする二人。空気は冷えているはずなのに、暖かさを感じた。

Ep.145 父なる空



……。
私は立ち止まって左を向いた。何時もと違う道。
「ラム。ここだよね?」
「そうだよ!ここにはキラキラしてる石がたくさんあるの。」
「骨が折れそうだなぁ……。」
「ダメですよベト。案内してもらってそんなことを。」
「しっつれー。とりあえず入ろ?」

Ep.146 洞窟探検



いつもの暗い洞窟。
足元が見えないせいで、まるで自分の足が無くなってしまったかのようにフワフワとした気分だ。
「ちょっと……まっててね……。」
ラムは岩をどけながらそう言った。もしかして、いつもそこに隠していたの……?
「声がーー……おおーすごい。」
呑気ね。
Ep.147 音響



「ベト、緊張感をですね……。」
「んー。なんか空気重いからさ。」
この洞窟に来て少しだけドキドキしてしまうのは私だけ……?
「けーちゃん手伝ってー。」
ずるずると音を立てながらランタンをこちらに引きずる。
「あ……うん。」
なんだか言葉が紡げない。

Ep.148 言の葉散りゆく



やり方は覚えている。さっきのようにこれをこう……。
「わあっ!?けーちゃん一人でつけれるの!?すごいすごい!!初めてなのにー!!」
驚いているラムの表情が可愛かった。正直なところ、ほっとしている。一番私が言葉を発せることを追求したがる子が、いつも通りだから。
Ep.149 日常



「……。」
火を見つめていると、今はとても暖かく感じる。
夕日のような色を魅せるこの炎は、本来ならば私と疎遠のはずなのに。
……一体どうして私は、いつの間にか海の世界を忘れるだろうか。
疑いたくはないのに。
「……いこう。ラム、持ってて。」
答えを知りたい。
Ep.150 海と火



はい、Ep.126~Ep.150でした。

この物語、結構「会話」や語りが多かったりしますのは、割と意識してるものなんです。

このΚΗΤΟΣというキャラクターの初期設定の時に決めていたんですけれど、「母性」「悲哀」などがデザインに含まれているほか、「伝達」「対話」「記憶」といった設定を性格面、行動面で織り込んでいるんです。


デザインはフォロワーさんから頂いたのでまさにそのまま。「あとは性別以外決めてないから自由に決めていいよ!!託しました!!」と仰っていた為、性格・行動などは完全に私の独断と偏見が決定しています。
わりと好きです。

それではまた次回!_(:3」∠)_



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