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サブエピソードではないけどメインでもなかった9(ラスト)

長きにわたって綴ってきた牛乳物語3章もいよいよ終わりです。(なんかこの前4章とか言ってた気がしますがこの物語は3章です。)


ちょいちょい見てくださった方もいてすごくうれしかったです。


牛乳物語は基本的に「うちの子物語」なので、この創作ブログの方向性にぴったり当てはまってるんですよね。


それでは本編は追記展開から!

「お姉さんは……成長できたと思う?」
「まだまだ。でも覚悟はしてる。」
「じゃあお姉さんは、思い出せたんだね。」
「うん。もう負けない。」
「また遊びに来てくれる?」
「またいつか、必ず。」
笑って別れた。

さようなら。小さな私、『トリミーア』。

Ep.201 Trimeer



トリミーア……。
自然に呼んでいたけれど、今思い返してみると不思議な気分だ。
幼い自身と出会い、1週間も共に過ごし、そして……思い出せた。
私は「知っていた。」自身の名前を。
そして忘れていた。海という大自然が怖かったから。

そう。私が逃げていたから。
Ep.202 それが真名



「やーっぱりロクなことになってないよ。」
「けーちゃん!!けーちゃん……!?……死んじゃったの……?」
「まだだよラムちゃん。まだ生きてる。ただ、このままじゃ死ぬ。」
「ベト……。」
「なに泣きそうになってんのさ。ほら。その子、助けるんでしょ?」

Ep.203 聖輝石の戦い



「っ……」
「け、ケトスさん!?意識が……!」
「ちょっとちょっと……あんた、今絶対動いちゃダメだからね。」
「けーちゃん!!けーちゃん……頑張って!」
今いったい何が起きているのかがさっぱり分からない。とりあえずイヌが動くなって言うから動かないでおこう。

Ep.204 頑張る



「(ロアっち……麻酔とかそう言うのやってないの?)」
「(ね、念の為フィーネさんから渡された抑制作用のある魔法符を使ってるけど……。
どうやら外部の魔法は全て弾き飛ばしてしまうようです。)」
「(じゃあもうあたしたち何もできないよ)」
聞こえてるっての。
Ep.205 打つ手なし



「……。」
また、のどが焼け付くようで喋れない。
もう何もしゃべれないのかな。

少しずつ気落ちしていくのと同時に、私の感じる鼓動がどんどん遅くなっていく。
「おおっとあんた。ほんとうに死んでしまうよ。……ラムちゃんを残して、死ぬの?」
ラム……。

Ep.206 大切な人の顔は



ラム……今まで貴女にしてあげたことって何だろう。
私はいろいろなものをもらってばかりだった。しかもまだ幼い子供である貴女から。
私は貴女に何を与えたの……?こんな……貰ってばかりでは私の心がはちきれてしまう。

「けーちゃん……泣いてるの?」

Ep.207 声のない涙



わたしはトリミーア。
わたしは遠い昔の誰かが産んだ存在。
そしてわたしは、海に産み落とされた。

──思い出したんだね。──

そう。思い出せたんだ。遠い昔の記憶まで。
かつての賢者の記憶が見える。心を感じる。私は海の民であり、光の民でもあった。

Ep.208 海と光の遠い記憶



「もう……キツいかな……。」
「ラムさん……。」
「けーちゃん、まだ生きてるよ。」
「……!……そうだね。」
──勝手に殺されるのは困るよ──
「けー……ちゃん?」
「ロアっち……これってさ。」
「間違いないです。メルジーナグランツが作用してるんです。」

Ep.209 光の護り



「けーちゃん!?おきても大丈夫なの……?」
「ねえ、あんたさ。この子にちゃんとやっとくことがあるんじゃないの?」
私は頷いた。
──ごめんね、ラム。──
私に声は出せないけれど、音を出すことはできるんだ。それは人の心の中にも。外のモノと一緒になって奏でることも。
Ep.210 音



「結局、メルジーナグランツは手に入らなかったんですよ。」
「まーそうだよね。ロアっちはミルフィーさんと同じで、詰めが甘いし。」
「ベトに言われたくないし!!」
「ねー……あんた本当に来るの?」
(うん。)
「はー……フィーネさんになんて言えばいいのかな。」

Ep.211 別世界



「しっかし、良い度胸してるよね。生まれ海にも帰らずに、ラムちゃんまでほっといて私たちについてこようなんて。そんなことしてどうするつもりなのさ。」
(私は真名を見つけた。そして生きる理由がなくなった。だから、生きる理由を探したいの。)
「あーあ、アホらしい。」

Ep.212 度胸



「ラムちゃんを理由にしたくない気持ちも分かるけどね、あの子寂しいんだよ。あんたみたいな子が居ないと。」
(……私は人間じゃない。私はラムとは居てはいけないんだよ。村人も、最近私のことをよくは思ってないみたいだし。……こんな首飾りと名前までくれておいて、ね。)

Ep.213 悩み



「けーちゃん……本当に行っちゃうの?」
(うん。ちょっと行ってくる。私の知らない世界を見てくるんだ。)
「……。じゃあ、いろんなお話を聞かせて!あたしが大きくなって、大人になった時にはけーちゃんにいろいろ教えてあげるから!」
(うん。楽しみにしてるよ。)

Ep.214 あの約束



「そうだ、犬のお姉さんと赤い髪のお兄さん。これあげる。」
「これは……この前言ってたものかな?」
「そう!おねえさんたち、恋人なんでしょ?」
「えっ!?べ、ベト!?」
「……それはねー、内緒なんだよーラムちゃん。」

Ep.215 恋の幼なじみ



「えへへ……がんばって作ったんだよ。」
(ラム……ちゃんと寝たの?)
「えっと……それは……な、ないしょ!内緒なんだー。」
「ラムちゃんはちゃんと寝ようねー。」
「んむぅ……頭わしわししないでよー……。」
「ベトって小さい子の相手うまいですよね。」

Ep.216 最後の贈り物



海……もうアイツの気配はなかった。
真実の光は私の中に怪物の暗闇を生み出していた。
光の後ろに闇はいつも在る。

私は知っていた。そして仕舞い込んでいた。だからその暗闇が表に見えていたのかもしれない。

海が……
「よし。じゃあ行きますよ。」
……ばいばい。
Ep.217 光と闇



「……そうでしたか……私も聞いたことはあったのです。生命体に聖輝石が埋まって生まれた症例がある、と。あっちの世界では珍しくもない鉱石が、生物に干渉をする場合があるのですよ。」
「御姉様はそういった聖輝石の性質を調査のために貴方達を向かわせたのですよ。」

Ep.218 聖輝石調査



「さて。そこの方は、名前は……?」
「……。」
「……言の葉を失った存在は世の中にたくさんいるです。そう言うときは、秘めたる心の魔力で、言の葉を紡ぐのですよ。」
(よくは分からないけど、こうすれば……?)
「そう。言葉はなにも口から出るだけではないのです。」
Ep.219 心の葉



「トリミーア……というのですね。なるほど、ロアが海の民の末裔と推測したようですが、あながち間違いでもないかもしれませんね。」
「そ、そうなんです……?」
「海の民!?ちょうどよかったヨー!ネエ、海の料理しっテるカイ?美味しいモノを沢山ツク……」
……煩い。
Ep.220 海の幸



「さて、暫くは此処にいても良いですよ。その代わり、生きるためにはやらねばならないことがあることは、わかるですよね。」
(……それなりには心得てる。)
「後々、聞きたいことも山ほどあるです。が、まずはその疲れを癒してからにするです。エア、空き部屋貸りるですよ。」
Ep.221 休憩



「……。」
(ねえ、貴方はどうして此処にいるの?)
「……。」
(此処の人たちは不思議。みんな何のために此処にいるのか分からないそうなの。)
「……俺たちは、拾われたんだ。」
(拾われた?)
「ああ。何も知らずに、俺たちを此処につれてきたんだ。」

Ep.222 始まりの歴史



「俺たちは別にここに居たいわけじゃない。でも居たくないわけでもない。そして、なにかが見えそうな気がするんだ。とても遠い何か。」
(私みたいに?)
「いや、お前さんみたいなようなものじゃない。……ん、この部屋だ。好きに使ってくれ。」
とても冷ややかな目だった。

Ep.223 遠い何か



「さてと……ロア、ベトゥーレン。ご苦労様でした。」
「その……すみません。目的のものは手に入りませんでした。」
「ロアっちってさー、マジ真面目君だよね。」
「む……。」
「ベトゥーレンは最初から知ってたようですね。『修行』のこと。」
「……まあね。」

Ep.224 修行の旅



「修行……?」
「もともと、メルジーナグランツは此方の世界には無いと思っていたです。で、貴方たちを向かわせた。……そういうことです。まさか本当にあるなんて思ってもいなかったですよ。」
「あ……え……」
「ロアっち口が開いてるよ。」
「あ、はい……。」

Ep.225 本当の目的



「……なるほど、水中では透き通った声が……?」
「っぽいね。」
「あとは……村があったんです。」
「無人島に村……情報が古かったようですね。……もしかしたら、また同じ場所に行ってもらうかもしれないです。そのときは……」
「ケトスさんも一緒ですね!」

Ep.226 情報共有



「ケトス……?」
「ああ……えっと、トリミーアさんでしたね……。なんか、村人たちが彼女に贈った名前なんだそうです。首飾りにも、『ΚΗΤΟΣ』って……。」
「首飾り……そういえば、貴方たちキレイな耳飾りをしてるですね。……魔分も感じる。不思議ですね。」

Ep.227 魔法の耳飾り



ラムへ。

元気?6か月くらい……だね。手紙という物を初めて送るよ。
私は新しいモノばかり見ているんだ。海の中では分からなかったもの。そして、こっちの海にあるもの。ビックリしてるよ。

ラムとした約束、忘れないようにしてる。楽しみだよ。
またいつか。

Ep.228 再会の約束



ここの海はとてもきれいだ。
ただ少し悲しげだ。というより、寂しそう。私が居てあげたいのもやまやまだけれど、ちゃんと「帰る場所」がある私にはそれができない。
だから、少しの間だけでも一緒に居てあげるようにしている。
そうしていると、海は楽しそうにするから。

Ep.229 新たな海



これは、深い深い海の世界のお話。
母なる海に産み落とされ、父という存在が無い。友は、空に海に、陸に。多くの友がいる、少女の生涯の物語。
『世界』の中には、彼女の様に忘れ去って、失ったモノにし、そしてまた探そうと立ち向かう者が居る。

貴方は、どうだろうか。
Ep.230(ED)


というわけで、牛乳物語3章、完結し(て)ました!

改めて、デザインをくださったフォロワーさんや、Twitter創作垢にていろいろアドバイス、Fav、その他空中リプで感想いただいたり、etc……など、感謝申し上げます。
(誰も見てなくても完結だけはするって決めてたけど割といろんな人が見てると知って黒歴史ウッ)

創作垢ではあとがきを「一つの終末」みたいな感じで名付けて締めくくりのように書きましたが、その通りに『世界』が形を変えるのかは誰にもわかりません。(作者である私も分かりません。←ココ重要)

なので、ちゃんとしたあとがきはこちらへ……。以下、ちょっとした補足などの引用を創作垢より。


結局、お名前付いてなかった里子ちゃんのお名前、トリミーアちゃんになりました。スペルは「Trimeer」って書きます。 ギリシャ神話にトリートーン(トリトン)っていう海神が居るので、そこからTriを。お世話になってるドイツ語から、meer(メーア=海)を取ってトリミーア。


本当はトリトンくんのお母さんであるアムピトリーテーか、超有名なお父さんであるポセイドンから取ってこようかなって思ったんだけど、産み落とされた子供っていうところを強調したしたかったのでトリトン君からとってきました。


神話はギリシャ神話っていうものが初めて神話というものを知ったキッカケでもあるんで、そういう意味ではちょっと特別な思いがあったりもするんですよね。


一応けーちゃんはあれ以来トリミーアとは名乗ってはいるものの、ロアたそとベトゥーレンは呼び慣れてしまっててケトスと呼びます。4章ではそういう面も描けるんじゃないかな?


ちなみにけーちゃんは記憶力が途轍もなく良いです。勤勉タイプのフィーネを凌ぐほど。


それ故に、3章ではけーちゃんの記憶の『世界』との対話が行われたんだけど、トリミーアという名前もそれを感じさせる名前を目指してたり。トリミング(trimming)のtrimも名前にかかってるんです。 記憶や世界を切り取り……聖輝石を体内に宿すのだから、そういう点で特異なんです。


けーちゃんはなんだろう、やっぱり※※※※(←意図的に伏字です。お名前掲載の許可いただいてないので……。)の海から来た里子なだけあって特異中も極めて特異な力がある気がする。当人は気づいてはいないけれども、世界や記憶をトリミングして保存なんてことも、物理的にも精神的にもできるわけだから。




☆☆☆☆☆ここからあとがき☆☆☆☆☆


(……?)
足元に何かがぶつかった。小さい貝のような生き物。これは……そうだ、ヤドカリとか言うんだ。ラムが教えてくれたもの。
こんな小さな生き物でも、広大な地を歩むんだ。……頑張っているんだね。私もそうしているんだ。一時は広すぎる海に飽きてきて、辞めたかった。
……少し冷える。
……ラム……今は何をしているんだろうか。

「気になりますか?」
(……ロア?)
後ろを振り向かなくても、その特徴ある高い声で分かる。
「ええ、よく分かりますね。」
(まあ、「あの子」の言葉を借りるならば、ロアは「正直」だからね。)
「ははは……良く言いますね。」
とは言うけれども、そこまで意味を理解していったつもりではない……。
「……あれからもう何ヶ月経ちましたかね。」
(月が180回私の上に来たくらい……なんてね。)
「……そうですね。長いものです。」
ロアはあまり笑わない。この子にとってあんまりいい響きではなかったか。
「ボクは……知っていたんです。使命を得た時から。そして、この『世界』に居た時から。……ケトスさんは、知っていたのですか?」
(どういうこと?)
「ええ……ボクは、その……。」
(……ロアって不思議ね。)
「え?」
(とても不思議な雰囲気と言うか……ただ生きているだけではないし、死にゆくわけでもない。明るさに満ち溢れているようで、影がある。当たり前だけど、不思議。)
自分でも何を言っているのかよく分からない。けれど、これが一番言葉として表せている気がした。
「それはきっと……ボクが死なないからです。」
(死なない……?)
所謂不老不死とでもいうものなのか。
「……なんて、冗談ですよ。」
(ロアが冗談を言うのって珍しい気がするけれど。)
「そうでもないですよ。」

少し会話を終えて、ロアはその場を立ち去った。
夕日が海に沈む。
嗚呼、太陽とはこれほどまでに海に包まれている者なのか。
海は太陽を包み、月を包み、時には空をも包む。
海は全てを飲み込み、海は全ての母。
そう思っていた数ヶ月前の私が脳裏をよぎる。
今では逃げずにこうしているけれど、だからと言ってすべてを知っている訳でもないのだから……。

難しく考えると、頭が痛くなる。これもどこかの誰かの影響なのか。
砂は綺麗な音を立てて振り上げた手から離れていく。
整理のつかないこの気持ちを誰かに……。
一番はやっぱり……ラムにどうにかしてほしいかな……。

そう思いながら夕焼け空を仰いでいた時だった。足元にいつの間にか小瓶が落ちていた。中には雑に入れられた紙切れが一枚。
手に付いている砂をはらって、小瓶を開けてみた。ラムからの手紙だった。

(……ふふ……。楽しみにしてる。)

ラムも随分と大人になった気がする。なのに、まだ半年もたっていないなんて。

(まるで、『世界』の時間のイタズラね。)
小瓶を届けてくれたイルカ君に、ありがとう。と伝えて、私は帰るべき場所へゆったりと歩いた。

辺りは暗くなっており、星が見え始めるころだった。

☆☆☆☆☆ここまであとがき☆☆☆☆☆


と、少し後味悪めにしてあります。

という訳でこの物語も完結いたしました。

『世界』と、『』でちょっと違う雰囲気にしてるのはまさにそれが世界のキーワードだからなんです。牛乳物語で一貫性のあるキーワードだと思って、今後も楽しみにしていただければと思います。


それではまた次の牛乳物語で!ここまで読んでくださってありがとうございました!!

ヾ(:3ノシヾ)ノシ


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