サブエピソード集4-3

実はEp.75は今日の1:30くらいにTwitter投稿してます。おっそ、

というわけでこんばんは(3回目)。ミルフィー(牛乳瓶)です。

今回はEp.51~Ep.75を公開いたします。

このまえTwitterであがった話題なのですが、この牛乳物語に出てくる二つの世界、『現実界』と『幻想世界』が舞台なのですが、現実界のほうの描写が少ないせいで「フィーネさんたちがいるあたりは緑の多い山々だけど山を越えたら荒廃した町がある世紀末な世界なんでしょ知ってる」とか言われてしまいました。

そういうことにしてもいいけど……んー。どうですかねー。一応電気も水道もガスも通ってるみたいなので、たぶんちゃんとした現代風な町があるんじゃないんですかね。私は知らないです。私が知らないっていうのが牛乳物語なので。

裏を返せば決まってないってことですが。

では本編は追記展開どうぞ!


「ロアっちも相当無理したんだね」
「だからロアっちは……」
「いいじゃん。それより、空から落ちて死にそうなところをどうしたのさ。あたしにも教えてほしいなぁ」
ベトゥーレンはそう言ってロアにどんどん詰め寄るのだった。
「近いです……浮遊の魔法を使ったんですよ」
Ep.51 浮遊魔法



☆☆☆☆☆☆☆☆
「あたりから離れて!!」
「ロア!?」
その時ロアは何かつぶやいていたようで、かすかに聞こえたのは、"メーテ・オール”という言葉だった。
私はそれが何か起きるとすぐにわかり、ロアに接近するのをやめて回避行動を取れるようになんとか翼を安定させた。
Ep.52 メーテオール



すると突然強い風が気流のように吹き上がるのに気づいた。
前触れの風を感じた私は、翼を広げすぎないように少し窄め、風にあおられないようにした。その時ロアが地面にぶつかる直前で風を受けて浮いているのが見えた。それはロアが行使した魔法の恩恵であることはすぐ理解した。
Ep.53 強風



「ターシュヴェルトさん! もう大丈夫ですよー!」
恐らく、降りてきても良いということだろう。ロアの元へ着陸できるよう再び速度を落としつつ降下を始める。ロアのことで頭が一杯で、たった今思い出したようにルーミンさんが居た方を見たが、そこには人影ひとつ無かった。
Ep.54 人影ナシ



「すみません、ボクが振り落されたばっかりに……」
「いえ、私も急に速度を上げようとしたですからね」
焦りでロアを振り落す形になった。魔法を体得しているロアだったからこそなんとかなったものの、そうでない者であれば――形はともかく、『裏切り』になってしまう。
Ep.55 裏切り



「……ターシュヴェルトさん?」
「え、あ、どうしたです?」
「いえ、急に黙ってしまわれたので」
覗き込むように私を見るその顔はとても綺麗に整っており、先刻の浮遊魔法など無かったようにさらっとした長髪が美しい。
私の立場など考えるのがおかしなほど、綺麗だった。
Ep.56 綺麗な顔



「それはそうとして、本当にロアは魔法を扱うのが上手になりましたね」
「ボクは……まだまだだと思います。ターシュヴェルトさんにも追いつけていませんから」
そこまで謙遜されると、仮にも姉様に認められるほどに魔術を会得している私のプライドにも傷がつくものだ。
Ep.57 姉様のお墨付き



「いずれ追い抜かれてしまいそうですね」
「そんな、ボクはまだ――」
「そうなったときは、ロアにいろいろ教えてもらうです」
少しにらみを利かせるようにして言ってしまい大人げなかった気もしたが、沸き立つように芽生えた私のライバル意識には、そんなものは関係なかった。
Ep.58 好敵手



☆☆☆☆☆☆☆☆

「まーた、なんだか不思議な言葉だよね、ロアっちの使う魔法って」
「そんなに不思議でしょうか……。『あちら側』ではよく使われていた気がするのですが」
あちら側というのは、幻想世界のことだ。私たちが今いる現実界とは異なる世界のことだ。
Ep.59 一部始終



ベトゥーレンはロアの唱えた魔術の言語を不思議な言葉と言ったのはうなずける。まだまだ若いとはいえ、私もこう見えて100年はあちら側の世界にいた。
その間に読んだ魔科学に関する書物は、姉様には及ばずともかなりの量だ。その私でも覚えのない魔術ということだ。

Ep.60 知らないもの



……こんな時に聞くことではないが、ここは切り出すべきだ。
「まさかロアが私の知らない魔術すら修得していたとは……もしや、ロアはたくさん魔術書を読んだりするのですか?」
念のため、禁止された魔法ではないか確かめるべきと思った。
「そ、そんなことは……」
Ep.61 禁じられたもの



「ですが、あの手の魔術は私が見たことも聞いたこともないものです。どこで学んだのです?」
「ああ……これは、今はもう他界してしまった方に教えてもらいました。牛乳の国って言えば分かりますか?」
「ふむ……なるほど。怪しげな禁書とかから掘り出したわけではないですね?」
Ep.62 禁書



すると、ロアは頭に指を当てながら困り顔で答えた。
「そんな訳ないじゃないですか。守るべきものはちゃんと守りますよ」
ベトゥーレンのそのときの顔は印象的だった。細い目をしてロアを見つめている……というより、見下すようにも見えた。それは冷ややかな目だった。

Ep.63 冷たい目



「っ……。ルーミン……」
「姉様!」
「タルト……」
私の名前を呼ぶその一言は、姉様の言いたいことのすべてを表していた。口の中の水分は乾き失せ、擦れるような音を絞り出したようなその声は、言葉が続かなくともそのこめられた思いが伝わるものだった。

Ep.64 必死な掠れ声の中に



酷く疲れてしまった。……そういえば、朝から何も口にしないままルーミンを探していたような気がする。
「姉様、大丈夫ですか?」
タルトの心配そうな声を聞いて、私は声を出すこともままならず、ただ首を横に振るしかできなかった。
謎の静けさが夕暮れの山中に訪れた。

Ep.65 出会えない



虫の鳴き声が聞こえ始めた頃でも、私は夕暮れ時と変わらず放心したままだった。ロアとタルトが簡単な食事を拵えてくれたようだが、その味は余計に私の物足りなさを刺激した。ここにあるのは、姿を消してしまったルーミンの作った料理ではない。
その事実が私を追いつめた。

Ep.66 違う食事



私たち……ルーミンとエアーと私は特に古い間柄な気がしていた。
一番最初にミルフィーさんに拾われて、長いことここで暮らしている……そんな気分だった。この三人が離れ離れになり、ましてや仲間割れなんてことが起きるなど、想像すらしていなかった。

Ep.67 惚けの空色龍



(ねえねえロア、フィーネさんにとってあの二人はどんな人だったの?)
「ルーミンさんとエアーさんですか? そうですね……ボクがここ来る前から仲がよかったようですが……。一緒に出かけたりとかもして。……貴方とラムちゃんの関係とよく似てるんですよ、ケトスさん」
Ep.68 ラムとケトス



(じゃあ、フィーネさんはきっと……)
「辛いでしょう。当然です。でもきっとそれ以上のものが彼女を襲っていると思います。フィーネさんがああやってぼうっとしているのを見るのは初めて見ましたから……」
(……私がお母さんに見捨てられた時も、あんな風だったかも)

Ep.69 見放された



もう夜になってしまった。ロアやベトゥーレンはもう眠っているようで、この住処は明かりを消して月明かりに紛れている。
「眠れないのですか、姉様」
後ろからタルトがのそのそとやってきて、縁側に身体を落ちつけている私の隣に座り込んだ。
「眠れるはずがないですよ」
Ep.70 眠気のない夜



「姉様は……少しは落ち着きましたか?」
「ええ、おかげさまです。夕食を食べたら、少しは周りが見えてきました。……ルーミンの言っていたように、食事は大切なものですね」
朝から何も口に入れなかったためか、まともな思考も出来ていなかったことは、恥ずべきことだ。
Ep.71 ご飯は大事



隣に黙って座っているタルトは、今日はいつもと違う様子だった。私の顔色をうかがうようにこちらを見たりしないし、先刻までの私と同じように遠く暗い夜空を眺めている。
それがなぜか不思議に思えた私は、掠れ声を無理やり押し出すようにしてタルトに声をかけた。
Ep.72 違う、妹



「タルト。私は……」
私のことは心配ない。そう言いたかった。ただし、この状況でタルトにそれを言っても意味がないのは分かり切っていたことだ。
しばらく、言葉を探していた。
「いつもの姉様なら、『心配ないです』って言う頃でしたね」
タルトが沈黙を破った。
Ep.73 破られる夜の静寂



その言葉は、私を包み込んだ。
「姉様は狡いです。魔法もプロの腕前で、ミルフィーさんが居ない時でも前に立ってみんなをまとめて、それで――」
「それで?」
私はつい口を挟んでしまった。タルトは少し躊躇ったが、そのまま続けてこう言った。
「……優しいのです」
Ep.74 優しいお姉さん



「人を苦しめる魔術を作って、時に人を殺めるような私が、優しいですか」
「大好きですよ」
「……返答としてそれは適切ではないです」
「優しいから人を殺めないわけではありません。姉様の作った治癒技術は、悪い人に利用された結果です。姉様が優しいから」

Ep.75 苦行の真相の語り部
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